noma
nomaさんは、ニューノルディック料理の先導役としてデンマーク料理を世界に知らしめた、世界トップレベルのレストランです。元はクリスチャンハウンのウォーターフロントで営業していましたが、現在はコペンハーゲンの郊外で、自家農園を持つ新星nomaとして営業を再スタートしました。
なおnomaは移転とともに世界ベストレストラン50から姿を消していましたが、2019年には新生nomaとして2位に返り咲いています。またコペンハーゲンにはnoma出身のシェフが営む有名レストランが多く存在し、nomaの存在を際立たせています。
店舗情報
- 住所:Refshalevej 96, 1432 Copenhagen K
- 営業時間:火~金の17時~24時、土の11時半~19時
- https://noma.dk/
nomaの料理はコースのみで、ワインペアリングかジュースペアリングをつけることができます。今回私が予約したのはシェアテーブルという、20名が長方形のテーブルに座るパターンで、ペアリングの注文が必須になります。
nomaの料理は時期によってコンセプトが変わります。秋からクリスマスはお肉を使うGame&Forestというコースで、料金が2,500kr、ワインペアリングが1,495kr、ジュースペアリングが1,095krです。年明けから夏にかけてお魚料理中心のSeafood、夏から秋にかけてはお野菜料理中心のVegetableになります。
nomaに到着すると、コースがスタートするまでの間、自家農園の役割も果たしている前室で待ちます。ここではウェルカムドリンクとしてnoma自家製のお茶を頂けます。
nomaの中に入ると、オープンキッチンのあるエリアを通って、お部屋に向かいます。芸術的な料理が多いこともあり、大人数のスタッフが働かれていますが、皆さん整列してあいさつをしてくださいます。
いざテーブルに着くと、ワインペアリングかジュースペアリングの準備がされ、お料理がスタートします。
最初の料理はリンゴのサラダで、なんとリンゴの上にクワガタが乗っています。もちろん本物ではなく黒ニンニクで作った料理ですが、早速ノーマの遊び心の虜にされます。
リンゴのサラダは酸味がありつつパクチーが効いています。
お次の料理はトナカイを楽しめるアソートメントです。下から時計回りに、揚げたブレッド、トナカイのタン、マッシュルーム、トナカイのボーンマロウ、早摘みのカシス、松ぼっくりです。また下にはトナカイのブイヨンが入っており、お出汁の様に楽しめます。トナカイのタンやボーンマロウなど、ノーマでないとなかなか味わえないであろう料理がたくさんあります。
お次の料理は、長時間高温のソースに漬け込んだ栗を、ウサギのブイヨンと一緒に頂きます。初めて聞く食材の組み合わせの面白さもnomaを感じるポイントながら、紅葉の落ち葉を使って色鮮やかに仕立てているところがnomaの神髄で圧巻です。ここから4品の料理は、Forestの栗を使った料理が続きます。
お次の料理はキャビアと栗のクリーム、生のヘーゼルナッツとヘーゼルナッツオイルです。キャビアを甘めの食材と組み合わせ、またヘーゼルナッツも斬新な使い方をしている料理ですが、それぞれの食材が見事に調和していました。この料理が、nomaで頂いた中で一番おいしかったです。こちらもドングリと枯葉を使い、前の料理との対比で、冬へ向かっていくことを暗示しています。
お次の料理は栗の餃子です。ラビオリで栗を包み、黒トリュフで仕上げています。上に見える落ち葉は本物ではなく、鴨の皮を使って作られており、再びnomaの芸術的なプレゼンテーションの料理に感嘆させられます。
お次はのお料理は、北海道のカボチャを、プラムやマルメロ、トナカイのブイヨンと合わせて仕上げた、nomaらしい独特な料理です。ここで少し雰囲気を変え、甘みのある料理からお肉系の料理へと進んでいきます。
ここから、お肉料理へのウォーミングアップが始まります。オレガノのサラダですが、鹿の脳という、これまたnoma以外では全く聞いたことのない食材が使われている面白い料理で、葉っぱを直接手にもってかぶりつきます。
お次の料理は、夏頃にとれたストロベリーとトマトをドライにしたものに、ウサギから作ったソースをがかかっています。甘みと肉肉しさが同居しており、食べていて少し混乱します。
続くお料理は、ジャガイモを平たくしてスパイシーなフライにしたものに、野生のイノシシの脂を冷凍したものが合わせてあります。ポテトフライは暖かく、イノシシの脂は冷たいので、そのコントラストが楽しんでくださいねと、nomaのスタッフから説明があります。お味はジャンキーなスナックといった感じです。
ここからはDuck Feastということで、3品の鴨料理が続きます。一品目は鴨の脳を天ぷらに仕上げたものと、心臓部のタルタルです。くちばしをそのまま使うなかなかの造形で、スプーンにも鴨のタンの骨が使われています。自然の命を頂く以上、全て余すところなく使おうというnomaの強い意思を感じます。
お次の料理は鴨の足のバーベキューです。爪がそのままついた状態で、爪の部分をつかんでいただきます。これもなかなかメインとしては出てこない、noma独自の面白い料理です。
最後の料理はメインの胸肉で、同様にnomaの庭でバーベキューにされたものですが、少しスモークがされており、同時にワインビネガーが効いています。このメニューも手で頂きます。
お次の料理はヤマウズラの卵のピクルスです。卵にビネガーが効いており、ねっとりと深みのあるお味に仕上がっています。
お肉を終えて、最後のメインコースは季節のキノコのラグーです。ここまでの手の込んだ料理とは少し異なり、noma自家製のきのこの旨味をシンプルに頂く料理ですが、おいしいです。
ここからデザート3品です。一品目はヨーグルトのムースに、カルダモン・ケシの実などを使ったソースを合わせた料理です。カルダモンの香りがかなり強めです。
2品目はバーベキューになった北欧風ワッフルに、これまたnoma以外ではなかなか聞かないホロムイイチゴという珍しいベリーのクリームを合わせたデザートです。ワッフルはサクサクしていてパンのような感じです。
デザートのラストであり、全メニューの締めは、松の実のファッジです。一見、机の上の飾りのように見える松ぼっくりのかごに、緑のファッジが入っており、nomaらしいエンターテインメント性のある料理です。味付けには、noma名物のアリの酸が使われています。
以上が全18品のコースでした。食事が終わると、最後にキッチンなどを見ることのできるnomaツアーがあり、それが終わると完了です。上でも出てきたnoma名物のアリを飼っているかごなどもありました。
最後にnomaの今回のメニューです。キノコがモチーフの飾りつけと一緒に最後に渡されました。下に書いてある6品はnoma自家製のジュースです。
またズームでとりましたので少し見づらいと思いますが、本日提供されたワインです。
私は飲んでおりませんが、nomaがかなりこだわって仕入れているものですので、気になる方は調べてみてください。
以上、コペンハーゲン最高峰のレストランであるnomaさんでした。
ご覧いただいた通り、たくさんのお料理がもはや芸術の域に達しているといっても過言ではなく、nomaというエンターテインメントとを楽しむ感じでした。一口食べて衝撃を受けるような究極の料理に出会うことを期待するのであればおすすめはしませんが、料理という表現を通じたnomaのエンターテインメントを楽しみたい方にはおすすめのレストランです。