SELMA(セルマ)
SELMAさんはデンマークの伝統料理であるスモーブローの人気レストランで、2019年の北欧諸国版ミシュランではビブグルマンで掲載されています。コペンハーゲンらしいモダンなスモーブローに定評があるほか、ミシュランではクラフトビールのチョイスを評価されています。コペンハーゲンのクラフトビールであるミッケラーや、ノーマ出身のシェフが営む人気レストランのAMASSなどと交流があります。
SELMAの店舗情報
- 住所:RØMERSGADE 20, 1362 COPENHAGEN
- 営業時間(ランチ):毎日11時半~17時
- 営業時間(ディナー):水~土の17時~24時
- http://selmacopenhagen.dk/
SELMAの初回訪問
SELMA店内は北欧テイストの心地よい空間が広がります。
この日は12時頃に訪れましたが、12時半くらいには多くの席がコペンハーゲンの地元の方々で埋まっていました。
SELMAのメニューはアラカルトとコースがあります。アラカルトですと一皿100~145kr程度、シェフのおすすめコースですと小さめのお皿が5品で350krか、7品で485krです。
今回はSELMAに初めての訪問でしたので、350krのコースにしました。
デンマークの定番であるスパイス漬けのニシンに、西洋わさび、クレソン、ブラウンバターを合わせています。面白いのが、一般的なスモーブローではニシンを乗せる土台として使われるライブレッドが、粉々されクランチ状に揚げられている点です。それらが美しく飾り付けられており、SELMAが”アドバンストスモーブロー”と呼ばれる所以がわかります。
甘く漬けられたニシンはそれだけでも美味しいですが、西洋わさびとクレソン、ブラウンバターが合わさることで味の複雑さと深みがぐっと増します。そこにライブレッドのクランチの食感が合わさることで、とてもおいしいです。
SELMAのコースの2品目はイエロービーツとチーズのソースのスモーブローです。
野菜自身の味がしっかりと楽しめるイエロービーツはほんのり塩気があり、チーズが合わさることでパンとも合う様に仕上がっており、おいしいです。北欧らしい野菜をメインに使って美しく仕上げた一皿です。
デンマークの定番であるツノガレイのフライです。ソースはラベージのソースです。
SELMAのツノガレイのフライは黒ニンニクで味付けがされており、ほんのりガーリックが香っておいしいです。ラベージのソースはセロリに似た風味という説明でしたが、そこまできつくはなく、塩レモンの酸味を感じるソースになっています。
ツノガレイのフライといえば、サクサクの衣にレムラードソースというのがコペンハーゲンでは一般的ですが、レストラン側のアレンジが面白く、おすすめの一皿です。
豚のほほ肉のマスタードソースです。リンゴと西洋わさびも合わせてあります。
豚のほほ肉は柔らかく仕上がっており、まろやかなマスタードソースやリンゴと良く合ってとてもおいしいです。スモーブローなのでメインという概念はそぐわないかもしれませんが、メインにふさわしいおすすめの一品です。
SELMAのデザートは、ブラックペッパー風味のアイスとクッキークランブルです。下にはバニラのクリームとリンゴのピューレが隠れており、かき混ぜて食べてね、と言われます。
ブラックペッパーと言っても香り程度の爽やかなアイスです。そこにバターたっぷりのコク深いクランブルと、甘みの強いバニラ、やや酸味のあるリンゴのピューレがうまくマッチし、とてもおいしいです。こちらもデンマークの伝統的なデザートをうまくアレンジした面白い一皿で、おすすめです。
以上、SELMAさんでした。
デンマークの伝統的なスモーブローを土台に、独自の素晴らしいアレンジを加えられており、コペンハーゲンの地元の方に人気なのも頷けるレストランです。
SELMA2回目の訪問:2019年12月(クリスマスおすすめコース)
SELMAのクリスマスコースの一皿目は、ニシンのスパイス漬にライブレッドのクランチを合わせた一品と、カレーソースのニシンにリンゴと玉ねぎのスライスと粒マスタードのピクルスを合わせたスモーブローです。
前者は前回も頂いており、クランチにしたライブレッドが面白い、非常においしい一品です。右のカレーソースのニシンは、伝統的な味付けの強いカレーソースでは無く、あくまでサブとして、リンゴや玉ねぎと一緒にニシン自体を楽しめるようになっていて、おいしいです。
お次はサーモンのスモーブローと、コリンキーというカボチャのスモーブローです。ビーツの赤とカボチャの黄色のコントラストが美しい、SELMAらしい一皿になっています。
サーモンの方は、ハーブと塩で味付けされたサーモンに西洋わさびのソースを合わせ、ビーツで色付けをしています。西洋わさびのソースがサーモンの味をうまく引き立てており、おいしいです。コリンキーの方も、甘みのあるコリンキーと、チーズがうまくマッチしており、おいしいです。
SELMAのクリスマスコースのメインはは左側のスモーブローが鴨、右側が豚バラです。鴨は甘みのあるキャベツとケール、豚はリンゴとケールが合わせてあります。
鴨の方は、ギュッと凝縮された鴨の旨味が、甘いキャベツでさらに引き立っておいしいです。豚バラとリンゴの組み合わせはデンマークの定番メニューですが、高いレベルで調理され、またケールの塩味もうまくそれらのサポートに回っており、とてもおいしいです。
デザートはカルダモンのアイスと、レモンカードのジャム、キャラメル、そしてビーツで色付けをしています。上に乗っているのはクッキーやメレンゲのようなさくさくとしたものです。
カルダモンのアイスは、カルダモンの香る大人の味で、単体でも美味しいですが、レモンカードやキャラメルを合わせることで甘みと深みが増し、とてもおいしいです。