Restaurant Radio
Radioさんは、コペンハーゲンの最高峰レストランであるノーマを立ち上げたクラウスマイヤー氏が、よりお安い価格でモダンデンマーク料理を楽しめるようにとのコンセプトで立ち上げたレストランです。2011年にオープンし、当初のヘッドシェフはノーマで共同料理長を務めたイエスパー氏が務め、現在では彼の下で学んだ後進が引き継いでいます。
Radioの特徴は野菜への飽くなきこだわりで、旬の野菜を軸にコースを組み立てるため、野菜の旬を踏まえて毎月おすすめコースが変わります。2019年の北欧諸国版ミシュランでは、ミシュランプレートで掲載されています。
Radioの店舗情報
- 住所:Julius Thomsens Gade 12, 1632 Kobenhavn V
- 営業時間(ランチ):金土の12時~15時
- 営業時間(ディナー):火~土の17時半~24時
- https://restaurantradio.dk/en/
Radioへの初回訪問
Radioの中は、木を基調とした落ち着いた雰囲気と、アングルポイズのランプによる大人っぽい雰囲気が同居した、居心地の良い空間となっています。
Radioのメニューは3品のコース(350kr)と5品のコース(435kr)、そして7品+ワイン+カフェのおすすめコース(1,395kr)があり、3品、5品のコースに合わせたワインペアリングのメニューも存在します。なおRadioでは金曜と土曜に営業しているランチの時だけアラカルトメニューがあるようですので、コースは少し敷居が高いという場合には、金土のランチがおすすめです。
今回は5品のコースと、ワインを赤白一杯ずつ頂くことにしました。また後から気づいたのですが、ジュースのペアリングもありましたので、次回はジュースのペアリングを試してみたいと思います。なおRadioのHPはしっかりしておりますので、各コースで何が出てくるかは、事前に確認できます。
Radioではコースとは別に、サービスでアミューズを頂けます。コペンハーゲンの定番である甘みの強い紫玉ねぎのピクルスに、カリカリとしたクランチが合わせてあり、コースのスタートにぴったりの一品となっています。
同じくサービスのサワードゥブレッドとバターです。このサワードゥブレッドは、これまでコペンハーゲンで食べてきた中で、一番おいしいです。そこまで酸味が強くなく、皮のガリガリ感と中のモチモチ感も絶妙です。またバターもRadio特製のオニオンバターソースでおいしいですし、パンをソースにつけても、おいしくいただけます。
白身魚であるパイクパーチと、アスパラガス、セロリです。緑の使い方に北欧らしさを感じます。ソースは飾り付けられたマヨネーズと、下に広がるアップルビネガーです。パイクパーチは少し小さめに切られていますが、単独でもしっかりとお魚として楽しめますし、アスパラガスやセロリは苦みやえぐみがなく甘いので、合わせて食べてもよいバランスで、とてもおいしいです。
今度はレッドパーチ、芽キャベツ、フェンネルの一品です。シンプルながら、美しく焼き上げられたレッドパーチと芽キャベツの緑、ソースの黄色が美しいコントラストになっています。ソースはバター系、下にキノコのグレービーが隠れています。皮をカリカリに焼いたレッドパーチは、日本の繊細な焼き物を彷彿とさせるふんわりパリパリな仕上がりで、とてもおいしいです。またソースやグレービーもレッドパーチや芽キャベツに変化を与えており、別の味わいも同時に楽しめるようになっています。
お野菜にこだわるRadioおすすめの一品は、セルリアックのグリルです。ヘーゼルナッツとアンズタケが合わせてあり、焦がしバターソースがかかっています。セルリアックはカブの様な食感で、ほくほくにグリルされていて食べ応えがあり、うまみのあるアンズダケと合わさってとてもおいしいです。またカリカリのパンのクランチが、食感と若干の甘みを足しており、非常にいい仕事をしています。さすがRadio自信の一品だけあって、ニューノルディック料理らしいお野菜メインの一品に仕上がっています。
メインのお肉は仔牛肉のローストです。火入れされたケールと、サルシファイのピューレに、ベーコン・玉ねぎ・鶏から作られたソースがかかっています。お肉はしっかりと旨味が閉じ込められており、ピューレともよくあっておいしいです。ケールは少し塩が強めですが、周りと一緒に食べる分にはそこまで気になりません。ソースはかなりベーコンの風味が強い面白いソースで、全体の味の雰囲気を肉々しい感じに変化させます。
最後のデザートはリコリスのアイスクリームと、グミの様なシーバックソーン、人参やヨーグルトのムース、リンゴのクランブルです。北欧テイストの魅せる一品に仕上がっています。リコリスのアイスクリームはそこまでクセがなく、単独でもおいしいです。シーバックソーンの食感や、ムースの味わいが合わさることで深みのあるデザートとなっており、面白いお味が楽しめます。
以上、Radioさんでした。
ニューノルディック料理レストランの中ではかなりお安い部類かつクオリティもとても高いので、デンマーク旅行の際には是非訪れていきたいおすすめレストランです。場所はコペンハーゲンの中心地から少し離れますが、コペンハーゲン中央駅から徒歩10分ほどですので、十分行く価値のあるレストランだと思います。
Radio 2回目の訪問:2019年11月
今回のRadioのスナックは、ポテトブレッドにスモークチーズ、ビーツのピクルスを乗せた一口料理です。コペンハーゲンらしい一品は、カリカリのブレッドと甘いピクルス、スモークチーズの豊かな香りがあわさり、おいしいです。
写真が暗くて恐縮ですが、一品目はホタテ、コールラビに、西洋わさびのムースを合わせた一品です。ソースはリンゴとセロリで、粒マスタードのピクルスも乗っています。ホタテは舌触りがよく、西洋わさびのムースと良く合っておいしいです。
二品目は、ボイルした白身魚のヘイクとヒラタケのグリル、エンダイブに、バターとセロリのソースがかかっています。ボイルしたヘイクと濃厚なバターソースは絶妙な組み合わせでとても美味しいです。エンダイブは少し苦みが強かったです。
Radioで注目すべき野菜メインの3品目はグリルしたポテトに卵黄のソース、ナッツが合わせてあり、ポテトのチップとブラウンバターソースが添えられています。
ポテトそのものがおいしいですし、卵黄のソースと合わさることでエッグスラットの様な味わいに、さらに香ばしいブラウンバターソースで濃厚さが増し、とても美味しいです。コペンハーゲンでは野菜のお皿に力を入れているレストランは多いですが、やはりRadioさんの野菜メインのお皿はおすすめです。
メインのお肉は鴨です。デンマーク伝統料理のローストポークのように、皮がカリカリになるようにローストした鴨に、ビーツやビーツでピクルスにした人参を添えています。ソースはカシスとチェリー、また栗のソースも添えられており、コペンハーゲンらしい色遣いになっています。
鴨はお肉にしっかりと旨味があり、カリカリの皮と合わせて単体でもとてもおいしいのですが、加えて2種類のソースも素晴らしく、それらを合わせることで3種類の素晴らしい味わいが楽しめるようになっています。
デザートはマルメロのアイスクリームです。干し草をイメージする葉っぱ、土に見立てたパンのクリスプなど、北欧らしい遊び心のデザートになっています。
マルメロはさっぱりしていて、コースの締めにぴったりでした。
5種類のジュースは左上から、リンゴとセロリ、レッドパインとリンゴ、プラムとアイスティー、ビーツルートとハイビスカスとローズヒップ、マルメロです。
リンゴとセロリはリンゴにグリーンスムージー系のフレーバー、レッドパインとリンゴは比較的甘めのジュースといった感じです。プラムとアイスティーはそのままですがおいしいです。メインに合わせたビーツルートの一品は、最初にレモングラスのオイルを入れているのもあって、甘すぎずメインにうまく合うようになっていました。いずれもコペンハーゲンらしい、オーガニック感のあるジュースでよかったです。
Radio 3回目の訪問:2020年1月
今回のRadioのスナックは、ポテトのフライにクリームチーズ、ピクルスを合わせた一品です。サクサクのスナックに濃いクリームチーズ、さっぱりとしたピクルスがいい塩梅にマッチしています。
一品目はタラとアーティーチョークのサラダです。葉っぱの下にアーティーチョークのムースとタラ、カブのピクルスが眠っています。このアーティーチョークのムースが絶品で、上のアーティーチョークのチップと合わせて、非常においしいです。Radioさんらしい、野菜のポテンシャルを活かした一品です。
二品目はハドゥークのソテーと、玉ねぎのグリルに、バタークリームと海藻のソースを合わせた一品です。Radioの白身魚のソテーはその仕上がりに定評がありますが、こちらはバタークリームと海藻のソースが絶妙で、とてもおいしいです。
Radioで毎回期待するお野菜のメイン料理ですが、今回はポロねぎと芽キャベツです。グリーンのピスタチオとチーズのソースが濃厚で、歯ごたえの良いリーキや芽キャベツとよくあっておいしいです。
お肉のメインは仔牛肉です。セルリアックに隠れてほとんど見えていませんが、下にお肉があります。ソースはリンゴンベリーにハツを合わせたジビエ味のあるソースで、肉肉しいお味になっています。
デザートはRadioらしい美しい一品で、マッシュルームのアイスです。周りにはホワイトチョコレートのメレンゲと、ビーツ、ドライのラベンダーで、いいバランスになっています。