KREBSE GAADEN
KREBSE GAADENさんは、コペンハーゲンの中央にあるアートギャラリーに隣接し、その時々のアート作品に着想を得たお料理を提供しているユニークなレストランです。
お料理はフレンチテイストのモダンデンマークですが、食材にはスペインのバカラオを使うなど、自由な発想で楽しませてくれるレストランです。
KREBSE GAADENの店舗情報
- 住所:Studiestræde 17, 1455 København K
- 営業時間:火~土の18時~22時
- http://www.krebsegaarden.dk/en/home
KREBSE GAADENを6時に訪れると、既にコペンハーゲンの地元の方が数組おり、7時ごろには多くの席が埋まっていました。以前に予約をしようとした際も1週間後は埋まっておりましたので、人気のほどがうかがえます。
KREBSE GAADEN の初回訪問
Krebse Gaadenの中は落ち着いた温かみのある内装で、クラシックな雰囲気です。
写真には写っておりませんが、コンセプトよろしく、いくつか絵画もかかっています。
Krebse Gaadenのメニューは前菜3品、メイン3品と、デザート及びチーズがあり、少量を少しずつ頂くテイスティングコースとアラカルトのいずれかを選べます。
アラカルトですと、前菜が一皿100kr程度、メインは大小を選べて、大が195~225kr、小が160~195krでした。コースの数量は4~6皿を自由に選べるということで、おすすめは5皿ということでしたが、今回は6皿で465krのコースにしました。飲み物はソフトドリンクで、ブラッドオレンジジュースと、アップル&ブルーベリーのジュースを頂きました。
Krebse Gaadenのパンは、コペンハーゲンでは珍しく、甘めのパンです。甘めといっても日本でいうぶどうパンの様なほんのりとした甘みで、生地のもっちり感と相まっておいしいです。
一品目はザリガニのサラダです。Krebse GaadenのKrebseはザリガニという意味で、デンマークではスーパーではキューブ状のピクルスやフルーツでできたデンマークらしいサラダと、ガーリック風味に仕上がったザリガニのソテーです。この相反する二つの料理ですが、一緒に食べると喧嘩せず調和しておいしいです。特にザリガニは絶妙に調理されておりとてもおいしいです。
じっくりと煮出したチキンのブイヨンに、ジャガイモをこれまたじっくりなじませて作ったスープです。リーキだけは変色しないよう、最後に入れています。その上にはリーキのピクルスとベーコンが乗っています。スープは濃厚ですがしつこいことはなく、とてもおいしいです。そこに塩気のあるベーコンと酸味のあるピクルスが合わさって、複層的な味わいになっています。Krebse Gaadenのスープはいつも素晴らしいので、訪れた際には是非お試しください。
カニやエビの殻をコニャックを使ってオーブンで熱し、旨味を抽出したビスクです。カニの身と大きなホタテ、白身のお魚が、ゴロゴロとぜいたくに入っていると同時に、しつこくならないようにセロリが添えてあります。こちらもまたかなり濃厚で、甲殻類好きにはたまらない一品でおいしいです。大ぶりなホタテも身が詰まっていて甘く、白身魚、カニの身と、それぞれ異なる味わいが楽しめる、素晴らしい一品です。
メインの一品目は、皮をパリパリに焼いたマスです。ビーツルートと白ワイン・エシャロットのソース、甘めの酢で仕上げられたサラダが添えられています。
マスは、Skin friedの名前の通り、絶妙なパリパリ加減で仕上がっており、それだけでもおいしくいただけます。そこにデンマークらしいビーツとフレンチらしいホワイトバターソースが融合した、酸味と甘みのあるソースが合わさることで、独特の味わいに仕上がっておりさらにおいしいです。酸味のあるサラダも箸休めにちょうどいいです。
メインの二品目は、デンマーク料理ど真ん中の豚料理です。しっとりと仕上がった豚にキャベツや芽キャベツなどが合わせられています。こちらもおいしいですが、コースの最後でだいぶお腹がいっぱいだったのもあって、それまでのお料理ほどのサプライズはなかったです。
デザートはデンマークスタイルの薄いパンケーキとバニラのパルフェです。ラズベリーのソースと、はちみつでコーティングされたナッツも添えてあります。
パンケーキはお酒で強めにフランベされており、ブランデーの様な素敵な香りがしてとてもおいしいです。バニラのパルフェも濃厚で、パンケーキ、パルフェ、ナッツを合わせるとお酒の香りとバニラの甘みが絶妙にマッチして、至高のデザートになります。
この後、コーヒーも頂きましたが、27krとお安いにもかかわらずかなりクオリティが高く、そのまま居座ってしまいそうになりました。
以上、KREBSE GAADENさんでした。
アーティスティックなコンセプトの通り、趣向を凝らしたお皿を楽しめますので、フレンチよりのこうしたレストランがお好きな方には、是非おすすめしたいレストランです。また、レストランのスタッフが素晴らしく、一品一品の丁寧な説明にレストランへの愛を感じました。私はお酒を飲まない上に一人で訪れるので、そこまでよい客ではないと自覚していますが、Warm Welcomeだからまた是非来てねと握手までしてもらい、とてもうれしい気持ちになりました。12月はトナカイがメインになるだろうとのことでしたので、また12月に訪れようと思います。
Krebse Gaaden 2度目の訪問:2019年12月(テイスティングコース6品)
Krebse Gaadenの一皿目は前回と同じ、ザリガニのサラダです。相変わらず、さっぱりとしたサラダとガーリックの効いたザリガニのソテーの相性が抜群です。
2品目はカリフラワーのスープです。チキンのブイヨンと、カリフラワーをオリーブオイルで炒めてシャルドネのワイン等で仕上げたスープを合わせた一品です。上にはオイルの他に、ロマネスコが入っています。
前回もスープがとても美味しかったですが、今回もかなりレベルが高いです。チキンブイヨンとカリフラワーのスープの相性が抜群で、チキンの旨味とカリフラワーの甘みが融合して深い味わいになっており、とてもおいしいです。
3品目はKrebse Gaadenのスペシャルクリスマスメニュー、タラを使ったお料理です。コペンハーゲンのクリスマスは鴨や豚ですが、同じ北欧のノルウェーのベルゲンでは、こうしたタラの料理が郷土料理としてクリスマスに食べられるそうです。ノルウェー出身のヘッドシェフの思い出の味で、コペンハーゲンではなかなか食べられないスペシャルメニューだとおっしゃってました。
タラはタラコのスモークと一緒になっており、ジャガイモやニンジンなどの根菜のソテーとともに、オランデーズソ―スで頂きます。タラは淡白な味わいで、コクのあるオランデーズソ―スととても良く合います。根菜もそのまま食べてもおいしいくらいしっかりと調理されており、全体としても素晴らしい仕上がりです。
4品目は鴨のコンフィです。こちらは前のメニューと変わり、コペンハーゲンのクリスマスメニューといった感じです。10時間以上低温で調理された鴨に、デンマークの紫キャベツの甘いピクルスと、アプリコット、プルーン、そしてポートワインのソースが合わせてあります。
たっぷりの塩で仕上げられた鴨は、単体では少し塩気が強いですが、紫キャベツやアプリコットと合わさることでちょうどいいバランスになります。深みのあるポートワインのソースもまた違ったテイストを与えており、色々な味わいを楽しむことができるようになっていて、おいしいです。
クリスマスのもう一つのメインは、トナカイの煮込みです。ソースはトナカイ自体の旨味を凝縮したソースにキノコなどを合わせたもの、そこにフルーツベジタブルのピューレやコケモモ、ケールと芽キャベツのソテーを合わせています。コケモモも北欧では定番の付け合わせです。
トナカイの煮込み部分はいわゆるジビエで、独特の肉肉しさがあります。ジビエが好きな方にはぴったりのメニューですし、ピューレやコケモモと合わせることで、肉肉しさが緩和され、お肉の旨味と野菜の甘みでバランスの取れたお味になります。また上に乗っているローストも柔らかくてとてもおいしいです。
Krebse Gaadenの最後のデザートは、自家製のアイスクリームにクラウドベリーのソースを合わせた一品です。コーン代わりに、北欧ノルウェーのワッフルクッキーであるクロムカケが合わせてあります。こちらもアイスクリームの甘みがちょうどよく、またコクもあってとてもおいしいです。ワッフルクッキーもサクサクで良く合いました。