コペンハーゲンでレストラン巡り

美食の街コペンハーゲンを食べ尽くします。

Bastard Cafeでボードゲーム STONE AGE & PANDEMIC

退屈な休日はバスタードカフェさんに限ります。

コペンハーゲン最大のボードゲームカフェであるバスタードカフェさんについては、こちらの記事をご参照ください

 いつもの様にボードゲームの紹介をしたいのですが、先日は建物の契約更新のパーティーをやっていたため、最初におまけでパーティの様子をご紹介します。

日本ですと、成功しているレストランやカフェが、リース契約の都合で退去するというのはあまり見られませんが、コペンハーゲンでは多いのでしょうか。とはいえバスタードカフェさんは一帯の敷地を纏めて借り上げてくれるいい借り手だと思うので、貸し手もそう渋らないのではないかと思います。

奥の部屋には、お店が用意した、4年間の契約延長を祝うケーキがあります。
絨毯の様な赤い台にバスタードカフェのキャラクター、サイコロ、トランプ、チェス、人型のコマ、タイルとめちゃくちゃ素敵なプレゼンテーションです。
店側がその日の客に無料で振舞うのが、なんともコペンハーゲンっぽいです。

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 今回プレイしおすすめボードゲームは、ストーンエイジとパンデミックです。 

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STONE AGE

基本情報

  • プレイ人数:2~4人
  • 所要時間:60~90分

ストーンエイジは、石器時代の原始人の一族となり、繁栄を目指すというコンセプトのゲームです。文明を発達させたり、建物を建てたりすることでポイントを獲得し、最大ポイントとなった人が勝利です。

各プレイヤーは5人の一族から始め、各人を様々なアクションポイントに設置します。
ボード上には多数のアクションポイントがありますが、自分の手番では1種類のポイントしか選べません。これを繰り返し、全員が手持ちのコマを全て配置し終わったら、アクションの結果フェーズに移ります。

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アクションポイントは、食料を確保する、資源を確保する、農業をする、子孫を作る、道具を作る、文明を発展させる、建物を建てる、に分かれます。

食料を増やす:左上の森です。ターン終了時に人数分の食糧が調達できていない場合、他の資源を使用するか、マイナス10点のペナルティを得ます。マイナス10点はかなり重たいため、各プレイヤーは必ず食料を手にする必要があります。食料を増やすアクションは、置けるコマ数の制限がありません。

資源を確保する:右上一帯で、木材、レンガ、石材、金があります。木材が最も手に入りやすく、金が最も手に入りにくいです。各エリア、合計7つまでコマを置けます。

農業をする:食料ゲージを1つ増加させます。各プレイヤーとも自身の食料ゲージ分の食糧を毎ターンに獲得できます。合計1つしかコマを置けません。

子孫を増やす:コマを2つ使用し、新たなコマを一つ獲得します。合計2つまでしかコマを置けません。

道具を作る:道具タイルを獲得します。道具タイルは、後程説明するダイスロールの際に、目の数字を増加させることができます。合計1つしかコマを置けません。

文明を発展させる:右下のカードです。右から順に、何らかの資源を1~4枚支払って、文明カードを獲得します。各プレイヤーはカード上部に書かれた効果を即座に得られると同時に、下部にかかれた計算方式に従って算出された得点をゲーム終了時に得ます。
またカードによっては機織り機や羅針盤が書いてあり、集めた種類の2乗の得点が手に入るものもあります。

アクションの結果フェーズでは、食料・資源の獲得や文明の効果で、ダイスを転がします。食料・資源の獲得では配置した人数分のダイスを転がし、合計値を特定の数で割った結果を切り捨てて、食料・資源を獲得します。食料は2、木材は3、レンガは4、石材は5、金は6で割り算をします。

この時、アクションの順番は各プレイヤーが自由に選べます。
そのため、先に資源を獲得してから文明カードを購入する、資源を獲得する前に道具を作ってダイスの目を増やす、など、効率の良い順番を選ぶことが求められます。

このようにしてターンを繰り返していき、文明カードの補充が不可能になるか、特定の建物カードの列が0になったターンでゲームを終了し、得点を計算します。 

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まずプレイ感ですが、人数を増やしつつ食料を確保しつつ、ということでアグリコラに近いものの、ダイスを多用する点は、大きく異なります。あと、結構なターン数をプレイすることになるので、序盤の農業と道具づくりは鉄板です。あと、グループの人数の2倍の得点などといった、自身の戦略構成に依存しない強力なカードがいくつかあります。この辺りは事前に共有しておくと、経験者と未経験者がバランスよく楽しめるようになるのかなと思います。

最後はどんどん文明と建物がとられていき、ゲームがインフレしていくところも含め、街づくりや文明系のゲームが好きな方にはおすすめです。 

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PANDEMIC

基本情報

  • プレイ人数:2~4人
  • 所要時間:45~60分

もう一つは協力ゲームの金字塔ともいわれる、大人気名作ゲーム、パンデミックです。

パンデミックは、プレイヤーが感染症対策チームとなり、全ての感染症の治療薬を作り上げるというコンセプトのゲームです。4色の病原菌に対する治療薬を全て完成させることができれば、プレイヤー側の勝利、デッキがなくなり時間切れになるか、都市が制御不能になるアウトブレイクを8回起こすか、一つの色の病原菌マーカーがすべて使われ制御不能になるかすると、プレイヤー側の敗北です。

各ターンにプレイヤーは4回のアクションを行い、都市における感染の軽減や都市間の移動、治療薬の開発、治療薬の開発に向けたカードのトレード、対策基地の設置などを行います。

感染の軽減:都市から病原菌マーカーを一つ取り除きます。

都市の移動:一マス移動するか、行きたい都市のカードを消費してその都市に飛ぶか、自分が今いる都市のカードを消費して好きな都市に飛ぶか、対策基地から対策基地に移動するか、4つのパターンがあります。

治療薬の開発:5枚の同じ色のカードを消費して、治療薬を開発します。ただしこのアクションは対策基地上でしか行えません。

カード交換:ある都市に2人以上がいる時、その都市名のカードは受け渡しできます。

対策基地の設置:ある都市にいて、その都市名のカードを持っているときに、その都市名のカードを使用して対策基地を設置します。対策基地は、基地間を1アクションで移動できるようになるほか、上記の治療薬の生成に使われます。

一人のプレイヤーのアクションが終了すると、次のステップに進みます。

まずは、手番を終えたプレイヤーが2枚のカードを引きます。もし手札が8枚いじょある場合は、7枚まで減らします。
ここでエピデミックカードが出た場合、病原菌の感染力が上がると同時に、未感染エリアの1つが、最大感染レベルまであがります。

次に、その時点での感染力に応じて、感染デッキのカードを引きます。
引かれたカードの都市は、感染マーカーを一つ追加しますが、既にその都市の感染力が最大の場合アウトブレイクが起こり、周辺都市全てに同じマーカーが1つ置かれます。

またアクションとは別に、手元にあるイベントカードを使用することができます。

空輸:プレイヤー一人を好きな位置に移動させられます。

静かな夜:感染デッキからカードを引かずに次のプレイヤーの手番にできます。

人口増加:使用済みの感染カード1枚をゲームから取り除けます。

政府の援助:好きな場所に対策基地を設置できます。

予測:新規感染の山札の上位6枚を見て、自由に並べ替えることができます。

とはいえ、これだけではすべての治療薬を生成することは不可能です。
各プレイヤーに与えられた役割が持つ特殊能力をうまく活用することで、効率的にゲームを進める必要があります。

衛生兵:感染マーカーを取り除く際、都市にある全てのマーカーを1アクションで取り除くことができます。また治療薬が生成された色については、その都市を通るだけでマーカーを取り除くことができるようになります。

:治療薬の開発に際し、5枚ではなく4枚のカードで実行できます。

危機管理官:アクションを1回使用し、過去に使ったイベントカードを手元に戻せます。
2度目に使用した後はゲームから取り除きます。またこの効果で手元に戻したカードは、カード上限の計算から除外できますが、同時に2枚以上をストックすることはできません。

検疫官: 自分がいる都市と隣接する都市には感染マーカーがおかれなくなります。

研究員: 他のプレイヤーと同じ都市にいる場合、その都市以外のカードも受け渡しができるようになります。

作戦エキスパート: 1アクションを使い、カードを使用せずに対策基地を設置できます。
また対策基地にいる場合、好きなカードを捨て札にして全ての都市に飛ぶことができます。

通信指令員: 自分のターンに他のプレイヤーを移動させることができます。
また、自分を含む各プレイヤーを、別のプレイヤーの居場所に移動させることも可能です。
都市に飛ばす場合は、通信司令員のカードを消費します。そのため、通信司令官の手持ちのカードで行くことのできる都市にしか飛ばすことができません。

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このゲームの素晴らしいところは、それぞれが役割を変えることで、全く異なるゲームに変貌することです。例えば、衛生兵や検疫官がいるゲームでは、感染を押さえる能力が高い代わりに、治療薬の開発が遅れがちになります。逆に科学者と研究員がいる場合、治療薬は作りやすいのですが、感染防止がおろそかになりがちです。その時のチームの特性を理解し、感染拡大のリスクも適度に許容しつつゴールを目指す必要があり、協力型ゲームとしては最も完成されたものの一つだと思いますので、協力型ゲームが好きな方におすすめのゲームです。