AMASS
AMASSさんは、ノーマでヘッドシェフを務めたMatthew Orlando氏がコペンハーゲン郊外に新たにオープンした、モダンデンマーク料理のレストランです。小規模ながらレストラン周辺に自家農園を持つなどのオーガニック食材への徹底的なこだわりが、コペンハーゲンの地元の方々から高く支持されています。
2019年の、世界のレストランランキングでは、85位となっており、コペンハーゲンではノーマ、ゼラニウム、レレに続く4番目の順位につけています。また2019年の北欧諸国版ミシュランガイドでもミシュランプレートで掲載されています。
店舗情報
- 住所:Refshalevej 153, 1432 København K
- 営業時間(ランチ):土の12時~15時半
- 営業時間(ディナー):火~土の18時~24時
- https://amassrestaurant.com/home/
コペンハーゲン郊外に位置しているだけあって、レストラン内はかなり広いです。天井も高いので、とても開放的な空間となっています。
キッチンはオープンになっており、調理の様子を見ることができます。
メニューは2種類で、AMASS Menu(1,095kr)とMenu(695kr)があり、それぞれにワインペアリングが可能になっています。AMASS Menuは10品、Menuは5品か6品です。バーカウンターでアラカルトの注文もできますが、バーカウンターは予約不可なので、直接レストランに向かう必要があります。ランチでは495krのコースもあります。
今回はせっかくなのでAMASS Menuにし、代わりにドリンクをソフトドリンクにしてお値段のバランスをとることにしました。
サービスのスナックです。えびせんの様なスナックは前日のパンを再利用したもので、ヴィネガーチップスの様な、酸味のあるパウダーがついています。横のエマルジョンはローストしたジャガイモの皮から作られています。
一品目は黒大根と塩を施されたイチゴのタルトです。割と固めのサクサク感があるタルト生地と、シャキシャキした黒大根の異なる歯ごたえが同時に楽しめる面白い一品となっています。タルトがベースの味になっており、そこに大根やイチゴが酸味・甘み・塩味を少しづ足しており、おいしいです。
2品目はポテトブレッドとケールから作ったオイルペーストです。ポテトのほくほく感がそのままパンになったような一品で、これもおいしいです。こちらはコース内の一品ですが、レストランにおけるパンのように、おかわりが可能です。
パイクパーチと塩味のあるルバーブ、リンゴ酢の組み合わせです。下にはチーズのソースが隠れています。パイクパーチはそのままでも歯ごたえがよく美味しいですが、リンゴ酢の酸味とチーズのソースと合わさることで、深みのある味わいになっています。
4品目はベイビーキャロットと、ドライにしたブルーベリーのパフを合わせた、北欧らしい面白い一品です。ベイビーキャロットは切り干し大根のように一度水分を抜いたうえで水分を再度戻しており、うまみと甘みがギュッと凝縮されていておいしいです。またブルーベリーのパフも、ブルーベリーが凝縮されており、ベイビーキャロットと良く合います。
写真だとややわかりづらいですが、ドライにした上で燻製にしたビーツルートです。こちらも、野菜のポテンシャルを引き出した、北欧らしい一皿だと思います。下には酸味のあるヨーグルトとナッツのようなペーストが隠れています。このビーツルートはドライになることで味が凝縮された上に、燻製にされてスモーキーなフレーバーが重なり、食べたことのない味わいになっていますが、個人的にはとてもおいしいと思います。そこに、酸味の強いヨーグルトが合わさることで、強さが若干中和され、バランス感のある一皿になっています。
6品目はヌードルです。ロブスターとグリルしたキャベツ、キノコが入っています。
ヌードルのスープはロブスターの味噌の様な、ポルチーニの様な、いわゆる旨味が濃い味付けとなっており、おいしいです。麺もモチモチしていていい感じでした。
7品目はメインの鴨胸肉のグリルです。薄くスライスされたカボチャと、味噌ベースのソースが合わせてあります。鴨胸肉のグリルは完璧に調理されておりおいしいですが、味噌ベースのソースは日本人にはやや物足りないかもしれません。なお横にはカボチャのダンプリング(餃子)が付け合わせであるのですが、皮にカボチャを織り込んであるものの単体では味がぼんやりしているので、ソースにつける必要があります。
鴨のグリルの後に、鴨のお出汁が出てきます。トップにはカボチャの種のオイルがかかっています。
デザート一品目は、北欧スタイルのプレゼンテーションがかわいいアイスサンドです。アイスはやや葉っぱ系の香りがするヨーグルトに花の蜜を合わせたような感じです。サンドはクレープを集めにしたような、くにゅっとした食感のものです。ちょうどいい冷たさと甘さでおいしいです。
お次はイチジクの葉でコーティングしたリンゴと、下に眠るイチジクのクリームの組み合わせです。周りのソースはどちらかというとサポートで、異なる味・食感のリンゴとイチジクが重層的に重なって味を作っており、おいしいです。
最後は、大地をイメージしたお皿が北欧っぽい、チョコレートです。あまりバターを使っていないのか、ココアパウダーを凝縮させたような食感と味わいで、面白いです。
おまけで、今回頂いたソフトドリンクです。もう一つ、Tomato & Fig Leaf Shrubというのもあったのですが、写真を撮り忘れてしまいました。いずれも、非常に独特なお味で、癖になりそうな、ただ1度ではまだリピートしたいとは思わないという、絶妙なお味でした。
おまけのおまけで、下記にドリンクのメニューを載せておきます。もちろんボトルワインは別のリストがあります。
以上、AMASSさんでした。
ベイビーキャロットや、ビーツルートの燻製など、食べられてよかったと感じる斬新なメニューがある、面白いレストランです。時期によってはランチもやっていますので、気になる方はランチでトライしてみるのがおすすめかと思います。
コペンハーゲンの中心地からは少し離れますが、帰りの際は必要であればタクシーも呼んでくれますので、安心かと思います。