コペンハーゲンでレストラン巡り

美食の街コペンハーゲンを食べ尽くします。

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マンフレッズさんは、コペンハーゲン最高峰のレストランであるノーマの元シェフで、人気のニューノルディック料理レストランであるレレを立ち上げた、クリスチャン・プグリージ氏が新たに手掛けたレストランです。レレ同様に、コペンハーゲンのオーガニック食材にこだわっていますが、レレに比べてシンプルな分、お安い価格で楽しむことができます。

マンフレッズはBaestやMirabelleと同様にレレコミュニティに属し、コペンハーゲン郊外にある、自前の農場で採れた野菜やお肉を使用しています。またワインもオーガニックワインにこだわっており、ワインのセレクションへの評価も高いです。

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店舗情報

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5時半ごろに訪れると、既に数組のお客さんが入っていました。6時半ごろにはテーブル席の大半が埋まります。

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壁にはレストランおすすめのワインが並びます。グラスでも楽しめるこれらのワインは、イタリア産やフランス産のものが多いですが、スロベニア産などもあります。

またキッチンはレレ同様にオープンキッチンで、バーカウンターのゾーンからは調理の様子を眺めることができます。

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メニューは、295krで7-8品のシェフのおすすめと、アラカルトです。アラカルトは前菜が一皿75~90kr、メインが105~165krとなっており、一人につきに2~3皿がレストランのおすすめしている量です。

シェフのおすすめが比較的お安い価格でたくさんの料理を楽しめるとのことで、今回はシェフのおすすめにしました。ワイン3杯で285krのペアリングもあったのですが、3杯だとやや多いので、おすすめを白赤1杯ずつ出していただくよう、お願いしました。

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‘Farm of Ideas’ beetroots, apple, lemon cream

一品目は色鮮やかな紫とオレンジのビーツに、リンゴのジャムの様なソースと、酸味のあるレモンのクリームが合わせてあります。ビーツは少し火が入ることで、優しい食感と味わいになっており、少し添えられた塩とも、リンゴのソースともよく合って、おいしいです。またレモンのクリームが酸味を足しており、別の味わいを生み出しているため、組み合わせで様々な味を楽しめるような仕掛けになっています。シンプルな料理ですが、しっかりと素材の味を引き出しており、おすすめの一品です。

なおこの料理に合わせてサワーブレッドが出されますが、レレ同様にミラベルのサワーブレッドではないかと思います。

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‘Farm of Ideas’ rutabaga, salted cod, quinoa

お次はカブの様な食感のルタバガに炒ったキヌアを合わせている料理です。上には塩で〆られたタラが乗っています。ルタバガのシャキシャキとした歯ごたえにカリカリとしたチアシードが良く合っており、これもおいしいです。タラはしっかりと〆られておりおいしいですが、そこまで塩が強くないためルタバガの邪魔はせず、うまく調和しています。

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Potato and leek cream with smoked mussels

お次はジャガイモとポロねぎのポタージュです。ポタージュの上に燻製のムール貝と、恐らくセロリのスプレッドが乗っています。ポタージュは濃厚で甘みと旨味があり、カリカリのクルトンと合わさってとてもおいしいです。そこに酸味と香草感のあるセロリを混ぜると、コク深かったポタージュにさっぱり感が加わり、不思議なお味へと変化します。試してみる価値のある、面白い一品ではないかと思います。

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Roasted ‘Farm of Ideas’ pumpkins, elderflower, egg yolk

4品目はいろいろなカボチャのローストを、黄身とチーズのソースで楽しむ一品です。ローズマリーによる香りづけもされています。
カボチャは元々の素材の良さに加え、絶妙なロースト加減で甘みが引き出されており、カリカリになった皮と合わせてとてもおいしいです。またコクと仄かに酸味のあるソースがカボチャと良く合っており、香ばしくローストされたカボチャの種と合わせて、絶妙なバランスを生み出しています。これも素材の良さを最大限に生かしており、おすすめの一品です。

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Grilled ‘Svanholm’ onions, yellow foot chanterelles

玉ねぎのグリルに、キノコのイエローフットのグリルを合わせた一品です。パルメザンチーズやクルトンが合わせられています。甘みのある玉ねぎのグリルと、旨味のあるキノコのグリルがうまくマッチしておりおいしいです。この組み合わせですので、パルメザンチーズも良く合います。

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Sautéed winter cabbage, x.o.

キャベツのソテーに、精肉等の過程で出たくず肉のクランチを合わせています。キャベツはソテーされたことでしっかりと甘みが出ており、おいしいです。くず肉のクランチは、確かにお肉のはずですが、どこか鰹節の様な香りのする、不思議な味でした。

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‘Hindsholm’ chicken, greens, salsa

最後のメインは、鶏むね肉のローストです。レモングラスオイルのソースと、塩気のある野菜のサルサが合わせてあります。鶏むね肉はしっとりとやわらかく仕上がっており、レモングラスのソースと良く合います。レモングラスのソースは、一般的には良くも悪くもトガりがちですが、このお皿ではドライフルーツと合わせてソースにすることで、角が取れていておいしいです。またお肉の下にもあるお野菜がいい味を出しており、お肉とお野菜の素材の力を楽しむことができるようになっています。

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なお今回レストランのおすすめで頂いたワインは、白がオーストリアのAndreas Tscheppe Sauvignon Blanc Blaue Libelle Pulus、赤がフランスはロワールの“Roc Cab”, ’18, LES VIGNES DE BABASSでした。白は適度なフルーティーさと爽やかさでとてもおいしかったです。赤は舌がピリッとする独特な味わいで面白かったです。 

以上、マンフレッズさんでした。
素材の良いお野菜やお肉の力を、調理によって最大限引き出しており、お野菜中心ながらかなり満足感の高い、おすすめレストランです。ニューノルディック料理レストランにイメージされる華美さはありませんが、コペンハーゲンの物価水準の中では、お安い価格で本格的な料理を楽しめるレストランですので、オーガニック料理や、様々なお野菜を楽しめるコースに興味のある方は是非訪れてみてください。